MD Conference Express AHA 2011 - Japanese - (Page 12)

慎重に行うことが推奨された。 また、 各部門の協同による集学的 心臓チームにより、 あらゆる観点からAS患者のケアを行うべきで あると述べた。 さらに、 術者が経験を積むことや、 デバイスの進化 (欧州で現在使用されている弁およびデリバリーシステム) 合併 、 症予防のための新しい技術の進歩などにより、 将来TAVIの役割 はさらに重要なものになるだろうとの見解を示した。 スコアを合わせて用いることにより、 心臓チームは2つの治療法 のリスク とベネフ トを全般的に比較することができる。 ィッ  近年の臨床試験のエビデンスに基づき、 PCI合併症のリ スクが低 く CABG後の有害事象リスクが高い場合、 、 安定主幹部病変患者 に対するPCIはCABGの妥当な代替手段になると考え られている。 しかし、 3枝病変患者においてはPCIや薬物治療と比較しCABG が優位であることを、 改訂ガイ ドラインでは改めて明言し ている。  PCIに関する改訂ガイドラインには、 適正な抗血小板治療の 新しいガイダンスも含まれている。 薬剤溶出性ステントまたはベ アメタルステント留置後の最低12ヵ月間のticagrelor治療は、 今や勧告クラスⅠ となっている。 また、 PCI後のアスピリン治療 に関しては、 ステントの種類によっては高用量の維持量としてそ の後長期的に減量可能とするのではなく、 全患者に対し81mg/ 日投与というより簡易な投与法を推奨している。   C A B G 前 後 の 抗 血 小 板 療 法 に 関 する 勧 告 も改 訂され た。 CABG施行予定患者は術前にアスピリンを服用し、 待機的 CABG予定患者は、 手術5日前にクロピドグレルおよびticagrelor を中止する。 緊急CABGの際には可能な限り、 これらの薬を少なく とも手術24時間前には中断する。 アスピリンは術前に投与されてい なければ、 術後6時間以内に再開する。 アスピリンアレルギーの患 者に対する代替の術後抗血小板治療と ては、 し クロピドグレルが妥 当であるとされた。 CABG後は禁忌がない限り、 退院までにアスピ リンおよび他のエビデンスに基づいた心臓保護薬 (スタチン、 ACE 阻害薬、 β遮断薬など) の投与を開始することを推奨し ている。  多くの臨床医にとって、 新しいガイドラインの勧告を日常臨床 で実行するのは容易ではないとDavid Faxon氏 (Brigham & Women’ Hospital, Boston, Massachusetts,USA) s は述べ た。 2011年版のPCIに関する改訂ガイドライン、 CABGに関す る改訂ガイドラインには、 それぞれ163項目、 156項目の勧告が 含まれている。 医療関係者が新たな基準を臨床に導入する上で 有用なツールとしては、 AHAが取り組んでいるGet with the Guidelines (GWTG) 患者予後を追跡して新しい基準を明 や、 らかにする国家的な登録プログラム、 リアルタイムのフ ィードバッ クや参考文献を提供する電子カルテなどがある。 2011年版PCIお よびCABGに関するACCF/AHA/SCAIガイ ドラインを臨床に用 いるには、 集学的なアプローチ、 そして心臓ケアチーム全員の協力 が必要であろう。 血行再建に関するガイドライン改訂版 の要点    2011年11月7日、 the American College of Cardiology Foundation (ACCF) the American Heart Association 、 (AHA) the Society for Cardiovascular Angiography and 、 Interventions (SCAI) による経皮的冠動脈インターベンション (PCI) および冠動脈バイパス術 、 (CABG) に関するガイ ドライン Hillis D et の改訂版が上梓された (Levine G et al. JACC 2001、 。 (Duke University Medical al. JACC 2011) Peter K. Smith氏 Center, Durham, North Carolina,USA) がこれらガイ ドラインの 主要改訂点を総括するセッショ ンの司会を務めた。  上記いずれの改訂ガイ ドラインにおいても、 様々な分野の医療 者が協力して冠動脈疾患 (CAD) 患者の治療を遂行する集学 的な心臓チームの役割が強調されている。 この集学的チームの 中では、 心臓外科医と心臓インターベンション医が共同して患 者の冠動脈解剖的所見および症状を観察し、 PCI、 CABG、 あ るいは双方の治療のいずれが適切なのかを決定する。 集学的な 心臓チームのコンセプトは保護されていない主幹部病変や複雑 性CADを有する患者に関する勧告のクラスIに含まれている。  また、 改訂ガイ ドラインでは、 多枝病変を有する患者の治療方 針を決定する際、 (Society of Thoracic Surgeons) STS スコア (http://209.220.160.181/STSWebRiskCalc261/de.aspx) とともにSY NTA X (Sy nerg y bet ween Percuta neous Corona r y Inter vention w it h TA XUS a nd Ca rdiac Surgery) スコア (www.syntaxscore.com/) を使用することが 推奨されている。 SYNTAXスコアを用いて冠動脈造影の結果か ら病変の範囲や複雑性を評価することにより、 血行再建戦略を 選択する際の客観的なアプローチが得られる。 また、 STSリスク 12 February 2012 www.mdconferencexpress.com http://www.mdconferencexpress.com http://209.220.160.181/STSWebRiskCalc261/de.aspx http://www.syntaxscore.com/ http://www.mdconferencexpress.com

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