MD Conference Express AHA 2011 - Japanese - (Page 6)

あり、 CABG非関連のTIMI大出血はrivaroxaban 5mg×2 回/日群においてより高頻度に認められた (2. 5mg×2回/日 群1.8%、5mg×2回/日群2 .4%、 プラセボ群 0.6%、 ともに p<0.001) しかし、 。 rivaroxabanにおける致死性の頭蓋内出 血や致死性出血の増加、 および肝毒性や治療終了後の虚血イ ベントのリバウンドは認められなかった。  本試験の結果は、 低用量の抗凝固薬による治療がACS患者 の死亡率および再発イベント軽減に有効であることを示唆し ている。 本試験の最も重要な知見は、 ACS後の患者に対する 抗凝固療法における適切な用量設定の重要性が明らかになっ たことである。 経口Xa因子阻害薬であるapixabanを用いた 従前の治療強度を目標とした抗凝固療法はACS患者に有害 であることが示された (Alexander JH et al. N Engl J Med 2011) 今回の試験では、 。 心房細動に対して使用される20mg/ 日よりも明らかに低用量のrivaroxaban、 特に最小用量である 2.5mg×2回/日の有効性が示された。 今回示された結果を近 年実施された他の試験の結果と統合して、 ACS患者に対する最 適な抗血栓療法を決定していく必要がある。 参考文献: Mega JL et al. N Engl J Med 2011. ア群は2クール毎に75mg/日または150mg/日に無作為化され た。 キャリア群は各クール毎に75mg/日、 150m g/日、 225mg/ 日、 300mg/日に割付けられた。 対象患者は全員が一定量 (81 ~325mg/日) のアスピリンを内服していた。 血小板機能検査 (VSAPおよびVerifyNow P2Y12アッセイ) を14日間の治療毎 に実施し、 一次エンドポイントは高用量クロピドグレルによる血小 板機能阻害の変化であった。  クロピドグレル75mg/日群においては、 CYP2C19*2ヘテロ接合 体の患者における治療中の血小板の反応性は非キャリアに比し有 意に高かった (VSAP血小板反応指数 〔PRI〕 平均70.0% : (95% CI: 66.0-74.0%) 57.5% vs. (95% CI: 55.1-59.9%) VerifyNow 、 〔PRU〕 平均225.6 : (95% CI: 207.7-243.4) P2Y12反応単位 vs. 163.6 (95% CI: 154.4-173.9) ともにp<0.001) これら 、 。 CYP2C19*2ヘテロ接合体の患者では、 クロピドグレルを300mg/ 日まで増量すると血小板反応性は有意に低下し、 VSAP PRIは 48.9% (44.6-53.2%) PRUは127.5 、 (109.9-145.2) となった (と もにtrend p<0.001) 。  また、 CYP2C19*2ヘテロ接合体の患者においては、 クロピド グレル75mg/日群の52%がノンレスポンダー (PRU≧230) で あったのに対し、 225mg/日群または300mg/日群におけるノ ンレスポンダーは10%にすぎなかった (ともに75mg/日群との 比較においてp<0.001) 。   C Y P 2C19 *2ヘテロ接 合体の患者では、 クロピドグレル 225mg/日の内服により、 非キャリアが75mg/日のクロピドグレ ル標準量内服で得るのと同レベルの血小板反応抑制効果が得 られた (VSAP-PRI比: 平均0.92 (95% CI: 0.85-0.99) PRU 、 比:平均0.94 (95% CI: 0.84-1.04) 一方、 。 CYP2C19*2のホ モ接合体の患者では、 クロピドグレル300mg/日においても平 均VASP PRIは68.3% (95% CI: 44.9-91.6%) PRUは平均 、 287.0 (95% CI: 170.2-403.8) であり、 75mg/日群と同様で あった。 クロピドグレル増量に伴う明らかな副作用の増加はな かった。 また、 ・脳血管イベント TIMI定義による大出血お 死亡 ・ よび小出血は認められなかった。  CYP2C19の遺伝子変異は、 標準的なクロピドグレル治療 に対する薬理学的あるいは臨床的な反応性に影響する。 した がって、 クロピドグレルの効果を最 大限にするためには、 各 CYP2C19ゲ ノタイプに応じた用量調節が必要となる可能性が ある。 今回の興味深い検証試験を土台として、 高用量クロピド グレルと、 チトクロームP450による代謝を受けないより有望な 抗血小板薬 (prasugrelやticagrelorなど) を用いた治療の有 効性や安全性を比較するような、 冠動脈疾患ゲ ノタイプあるい は血小板機能に基づいた前向き長期試験が今後は行われてい くと思われる。 参考文献:Mega JL et al. JAMA 2011 ELEVATE-TIMI 56試験    急性冠症候群患者において、 チトクロームP450オキシダーゼの 機能低下に関連したCYP2C19遺伝子多型があると、 クロピドグ レルから活性代謝体への代謝が減少し、 その結果として抗血小板 効果が低下し、 主要心血管イベントの増加につながることが示 。 されている (Mega JL et al. N Engl J Med 2009) Jessica L. Mega氏 (Brigham and Women's Hospital, Boston, Massachusetts, USA) はEscaLating ClopidogrEl by InVolv ing A G eneTic St rat Eg y – Th rombolysis In Myocardial Infarction 56 (ELEVATE-TIMI 56) 試験の結 果を発表し、 CYP2C19*2のヘテロ接合体の患者 (対象患者の 24%) においては、 非キャリアが通常量のクロピドグレルを服用 した場合に得られるのと同様の抗血小板効果を得るためには 3倍のクロピドグレル維持量が必要であったことを報告した。 し かし、 CYP2C19*2のホモ接合体の患者 (対象患者の2%) にお いては、 クロピドグレルを1日300mgまで増量しても十分な血小 板抑制効果は得られなかった。  ELEVATE-TIMI 56試験 (NCT01235351) 安定冠動脈疾 は、 患を有しクロピドグレル75mg/日を服用している患者を対象と した 多施設無作為二重盲検比較試験である。 CYP2C19*2のゲ ノタイ ピング後、 対象患者 (キャリア86名、 非キャリア247名) を14日 間×4クールのクロピドグレル治療に無作為割付した。 非キャリ 6 February 2012 6 www.mdconferencexpress.com http://www.mdconferencexpress.com http://www.mdconferencexpress.com

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